夕食時の出来事
あしたの城に宿泊一泊目の人は牛乳鍋、そして予約の時に「牛乳鍋は苦手」と言っていた人には、ジンギスカンを用意しました。ところが席を案内すると、予約を入れた人は確かに「牛乳鍋以外」と指定し、「ジンギスカン」で了承をしたのに、連れの人がそのことを聞いておらず、席に案内されてから「俺は牛乳鍋を食べるつもりで来たのに」と言って「ラム肉は嫌いで食べれないんだ!」と言い出しました。
宿主や私が一緒に牛乳鍋を食べるのなら、代わってあげればよかったけど、たまたまお客さんだけの席しかなかったので、どうするべきか回りのお客さんも一瞬静まり返った所に、年配のおじさんがさっと立ち上がって「私は明日もここに連泊するし、牛乳鍋でもジンギスカンでもどちらでもいいので、席を替わってあげましょう」と言いました。そしてその場は丸く収まり、そのおじさんのおかげで夕食も和やかに進みました。
そのあと、ジンギスカンを食べなかったお客さんが、予約のさいの事情を聞いて「てっきり宿のミスでジンギスカンになったと思い込み、牛乳鍋を食べるのが楽しみにしていたので、パニックになって、大人げない態度を取ってしまった。不快な思いをさせて、本当に申し訳なっかった」と、非常に真摯な態度で私たちに謝ってくれました。私たちは、ああ、そこまでして牛乳鍋を食べたいと思ってきてくれたんだなあ、と思うと、かえってありがたいことだと思いました。
おじさんがさっと席を譲ったその思いやりと、真摯に詫びたお客さんの態度に、気持ちが晴れ晴れして嬉しくなりました。