冬の営業で思うこと

冬のお客さんは、夏に比べると全然少なくて、誰もいない日だって多いです。もっと積極的にお客さんを呼びたいというより、冬の厳しい自然環境を本当に分かってくれる人だけ、来ていただければいいという気持ちになっています。

以前、バスも運休するような猛吹雪の日に、「大きなバスも走れないような日は、自分たちの車でも送れないから、あきらめてもう一泊して」と言ったのですけど、「どうしても帰りたい、自己責任で歩いて帰るから、止めないで」とお客さんに言われたことがありました。それはもちろん、必死で止めました。死ぬのが分かってますから。結局宿主が根負けして、駅まで送迎したのでした。

その時は除雪車が走って間もない時間だったので、無事に送って帰ってきたのですけど、私はつくづく思いました。もしも送っている途中にホワイトアウトで事故ったら、責任は誰が取るんだろう。運転している宿主ですかね、やっぱり。駅についてお客さんは喜んでいたらしいけど、それからさらに状態が悪化している道を、宿主は家に帰らなくてはなりません。

帰る途中で事故ったら?吹き溜まりに突っ込んで立往生したら?閉じ込められた車の中で一酸化中毒にでもなったら?そうしたら、お客さんは責任を取ってくれるのでしょうか?帰るときのことまでは知らないって言われるんでしょうか?

これは決して大げさな妄想じゃないと思います。ここら辺に住んでいる人は、猛吹雪の怖さを知っているから、そういう時は外出しようとしないのです。だから猛吹雪がよくあるわりに、事故はそんなに起きません。それなのに吹雪の怖さを知らないお客さんに強く言われて事故ったら、どうしたらいいんでしょう??こちらが断ったら断ったで、まるで冷たい人間のように言われるのです。

そんなことをつらつら考えて、宿のご案内はシビアに書きました。日にちに余裕がないからいけないよ、と思われても、本当にそこのところを納得した人だけ、来てもらいたいなあと思うのです。もちろんこれは積雪期の話で、雪のない時期は、早朝、夜の送迎だってお受けしますからね^^

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2015年3月2日 | テーマ:民宿での出来事 | コメント(6) |



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