のんた君が突然旅立ちました

しばらくお休みをいただきましたが、昨日から営業を再開しました。お休み中に雪もそれなりに降って、例年より少ないものの、冬らしい風景になっています。

さて、これからいつもの日常に戻った日々のブログを再開するつもりではありましたが、ここで悲しいお知らせをしなければなりません。1月23日に、のんた君が旅立ってしまいました。誤嚥性肺炎で、具合が悪くなって入院して、わずか3日目のことでした。

今日のブログは長くなりますが、しばらくは、もうちょっと落ち着くまでブログとフェイスブックはお休みさせていただきたいと思います。営業はやっております。何かお知らせすることがあったら、トップページの「宿からのお知らせ」に載せますので、よろしくお願いします。ネットでの予約や問い合わせも、もちろん使えます。

ここから以降はのんた君に関することが延々と続きます…。

19日に嘔吐を繰り返したのんた君、吹雪模様だったのでもらっていた胃薬をあげて様子を見ていたら収まったので安心していたのですが、21日の朝起きると息遣いが変で、すぐにかかりつけの獣医さんに連れて行きました。検査すると肺炎をおこしているとのこと、入院して肺炎の治療をすることになりました。

22日に見まいに行くと、のんた君は喜んで尻尾を振ってくれましたが、獣医さんによると食欲がないので生の鶏肉を持ってきてくださいとのこと。そして点滴を外しても大丈夫になったら退院、病状が落ち着いたら嘔吐の原因も詳しく調べたいとのことでした。のんた君にはこぶがいくつかできていましたけど、いくつか調べても癌ではなかったのでした。

23日に鶏肉を持って見まいに行くと、のんた君は前日よりも元気がないように見えました。家で広いところにいるのんた君が、狭いゲージの中にいて、すぐそばには同じく入院中の犬がいて、部屋の臭いも宿主には強いように思われて、のんた君を外に連れ出してやりたいと強く思ったそうです。

「もしも治療に差支えなかったら一緒に軽く外に出してもいいか」と獣医さんに聞くと、「のんた君が嫌がらなければいい」ということで、点滴を外してゲージの外に出してやると、のんた君は喜んで歩き出したそうです。そこでリードをつけて病院の外の駐車場のところへ出ました。

のんた君と宿主は20メートルばかり歩きました。まだ大丈夫か、そろそろ戻るか、と言ってそこから5歩ぐらい戻りかけたところで、いきなりのんた君は腰が砕けるように座り込んで伏せてしまったそうです。宿主はびっくりして「のんた、大丈夫か」と言って、のんた君の顔を見ました。するとのんた君は顔をあげて、宿主の目をじっと見たそうです。

のんた君はじっと宿主の目を見つめた後、がくんと力尽きて顔を地面に伏せてしまいました。

宿主は大急ぎで獣医さんを呼び、獣医さんは人工呼吸器をつけたり心臓マッサージをしたり蘇生を試みてくれたのですが、のんた君は二度と息を吹き返しませんでした。

この時私はのんた君のそばにいませんでした。私は母と旅行に出かけていていました。実家に戻ってきてサロベツに電話をかけて、初めてのんた君が入院したことも死んだことも知りました。旅立ってから5日もたっていました。最初は「またまたそんなことを言って」と言ったのですが、のんた君を庭に埋葬したくだりになって宿主が電話口で泣いているのが分かって、本当の話なんだと思いました。

ラブラドールは12歳が一つの壁で、それを超えて長生きする犬は少ないと聞いていました。のんた君は11歳と10か月でした。太らせ過ぎと言われてダイエットさせていたら実は栄養失調になっていたということで、昨年は太っても食べさせてやり生肉もやっていたら、元気が出て表情も生き生きして来て活力があって、あと3~4年とまでは言わなくても、1~2年は生きてくれるような気がしていました。

年を取った大型犬の介護は大変だと言われていたので、宿主なんかはコロッと死ね!なんて言っていましたけど、私はのんた君に「お父さんはあんなことを言ってるけど、本気にしたらあかん。いざとなったら号泣するのは目に見えている。私はちゃんと介護してのんたの面倒を見てやるから、遠慮せんと、動けなくなっても長生きしなさい」と言い聞かせていました。それなのにのんた君は潔すぎます。私が帰ってくるまで、待っていてほしかったです。

のんた君は幸せな犬だったと思います。広い庭を繋がれず自由に歩き回り、家の中ではプライベートルームで家族のそばにいました。お客さんにもずいぶんかわいがってもらいました。実は12月にのんた君が腰を痛めた時、お客さんが入る広間には、今まで入れなかったのですけど、お客さんがいない時期でもあったので、広間にシーツを敷いてのんた君を入れていました。雪が溶けるまでお客さんがいないときは広間で過ごさせるつもりでした。

結局のんた君が広間にいた期間はひと月半ばかりでしたが、冬休みと言うこともあって、子供たちとも非常に密に過ごした最後の時間となりました。新しい望遠レンズに慣れたいということもあって、子供たちとのんた君の写真をいっぱい撮りました。最後に撮ったのは息子の成人式の時、のんた君と過ごした幸せな時間を象徴するような写真となりました。

のんた君が最後の時間を宿主と過ごせてよかったと思います。宿主は外に連れ出したことを後悔していましたが、外に連れ出さなかったとしてももう駄目だったような気がするし、意思の疎通ができない状態で最後の時間を過ごすよりは、よっぽどよかったのだと思います。

のんた君が最後に宿主の目を見つめて何を伝えたかったんでしょう。「ありがとう、さようなら」と言ったんだか。「お母さんや子供たちにも、よろしく言ってね」と言ってくれたんだか。「もう除雪に付き合えないけど、ちゃんとやるんだよ」と励ましたんだか。そう考えられるだけでも、心の救いです。

のんた君と過ごした日々悲しみすぎると成仏できないらしいし、悲嘆にくれるより感謝をしろとか、まあ頭では分かっているのだけど、涙が出るのは止められません。しばらくは写真と花を飾った形ばかりの祭壇で供養してやり、気持ちの整理ができたらまた、ブログとフェイスブックの更新をしたいと思います。

のんた君をかわいがってくれた方々には、お礼を申し上げます。何かコメントを入れていただいたとしても返信できないと思いますが、どうかご了承ください。

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2016年2月4日 | テーマ:黒ラブのんた君 | コメント(18) |



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