宿主胸を熱くする

 真っ黒に日焼けしたチャリダーさんがやってきて、館内を案内するときに喫煙場所を案内しようとしたら「ボク高校生なんで」と言ってにっこりされました。「何年生ですか」と聞くと、「1年生です!」とのこと。とてもしっかりしているので、大学生かと思ってしまいました。

 高校生は宿主と同じテーブルで牛乳鍋を食べていました。彼のお父さんは若いころ、自転車で日本縦断をし、その時お父さんが使った自転車で今回、北海道を旅しているのだそうです。

 それを聞いた宿主は、同じく自転車で日本縦断をした者として、そして同じ年頃の子供を持つ父親として、感動で胸を熱くしていました。自分の子供が、自分が使った自転車で旅に出てくれたら、父親としてこんな嬉しいことはないだろうなあ!と言っていました。

 宿主はすっかり高校生を気に入ってしまって、「君、家は金持ち?大金持ちの息子だったら、うちの娘とお見合いしない?」と持ちかけておりましたが、「ボク、彼女いるんで」と、あっさりふられてしまいました。

 台所でそのやり取りを聞いていた娘本人は「またお父さん、馬鹿なこと言って」とあきれておりました。もちろん娘も、場の雰囲気を盛り上げるための、宿主のお客さんに対するリップサービスであるのは、十分承知しておりましたがね。

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2009年8月5日 | テーマ:民宿での出来事 | コメント(6) |



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