続きがあったから書ける話

連泊していた外人さんは、日本語ができるのですが、朝がとにかく苦手、7時が食事と分かっていても遅く起きてきていました。帰る日の今日は8時19分の列車に乗りたいとのこと、他に7時50分の列車に乗る人など送る人が全員で5人もいたので、昨夜のうちに、「明日の出発は7時半、くれぐれも遅れてみんなの迷惑にならないように!」と宿主はくぎを刺していました。

列車に乗る人は外人さんも含め、7時より早く居間に集まってきたので早めにご飯は始まりました。朝ご飯を食べてるお客さんに、「いつも出発は7時半で間に合うけど、今日は人数もいるし、荷物を積んだり出したりするのに時間がかかるだろうから、何があるか分からないし、早めの行動で、7時25分には玄関前に集まってね」と言いました。そんなことで外人さん以外は全員、7時20分には玄関前にいました。

ところがその外人さん、のんびりとご飯を食べて、最後にはもう25分になってるのにコーヒーを飲もうとしています。「もうみんな待ってますよ」というと、「えっ、出発は30分って言ってたじゃないか」とかなりふふくそうでした。「確かに昨夜は7時半と言ったけど、何があるか分からないし、早めの行動で、と朝食の時に言ったんだけど…」と言うと、英語で、俺は8時19分に乗ればいいんだからこんな早くに出なくていいのに、コーヒーも飲んでないのに、と悪口を言っていました。英語は分からなくても、不思議と悪口は分かるもんです。

これで、このままお帰りになったら、きっとこの件はブログには書かなかったと思います。実はこのあとがあります。

みんなが出発した後、気が付くと外人さんがメガネを忘れていました。駅にみんなを下して帰ってきた宿主、19分の列車には、ぶっとばしていけば間に合うかも、とすぐさま駅に向かいました。私は携帯に電話して、今、忘れたメガネを届けに駅に向かっているから、ぎりぎりかもしれないけど、すぐ分かる場所にいてください、と伝えました。

そういいながら、駅まで往復24キロの距離を、メガネを届けに猛烈なスピードで向かっている宿主の気持ちがわかるのだろうか、外人さんって、「メガネを忘れたのは、せかしたあんたのせいだろう」なんて言いはしないか、不安でした。そうなったら宿主は激怒して…。

でも実際は、駅に行くと外人さんは外にいて、深々と頭を下げて、「ありがとうございます」と言ったそうです。それだけで出発の時のいやな思いもすべて遠くに去り、宿主は笑って何も言わず「はい!」と渡して帰ったそうです。なんだかほっとしました。

しばらく天気が悪くて利尻も見えていませんが、とりあえず咲いてきているエゾカンゾウやコバイケイソウの写真を「景色」にUPしています。

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2013年6月25日 | テーマ:民宿での出来事 | コメント(5) |



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