宿主胸を熱くする

 真っ黒に日焼けしたチャリダーさんがやってきて、館内を案内するときに喫煙場所を案内しようとしたら「ボク高校生なんで」と言ってにっこりされました。「何年生ですか」と聞くと、「1年生です!」とのこと。とてもしっかりしているので、大学生かと思ってしまいました。

 高校生は宿主と同じテーブルで牛乳鍋を食べていました。彼のお父さんは若いころ、自転車で日本縦断をし、その時お父さんが使った自転車で今回、北海道を旅しているのだそうです。

 それを聞いた宿主は、同じく自転車で日本縦断をした者として、そして同じ年頃の子供を持つ父親として、感動で胸を熱くしていました。自分の子供が、自分が使った自転車で旅に出てくれたら、父親としてこんな嬉しいことはないだろうなあ!と言っていました。

 宿主はすっかり高校生を気に入ってしまって、「君、家は金持ち?大金持ちの息子だったら、うちの娘とお見合いしない?」と持ちかけておりましたが、「ボク、彼女いるんで」と、あっさりふられてしまいました。

 台所でそのやり取りを聞いていた娘本人は「またお父さん、馬鹿なこと言って」とあきれておりました。もちろん娘も、場の雰囲気を盛り上げるための、宿主のお客さんに対するリップサービスであるのは、十分承知しておりましたがね。

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2009年8月5日 | テーマ:民宿での出来事 | コメント(6) |

コメント

コメント

  1. すうさん より:

    すごいなあ。高校生たった一人で自転車で北海道を走り抜けてるなんて。そういえば昔一人旅をしてた頃、YHでチャリダーによく会いました。あの頃走り抜けていた人のお子さんですね。
    話は変わりますが、わが末っ子の通う高校では今年の6月北海道を釧路から開陽台をとおり、網走からオホーツクを見てひたすら宗谷岬を目指す自転車修学旅行を決行しました。30数名でしたが、宗谷岬に着いたときは涙、涙だったそうです。ちなみにその頃うちの娘は西表島でサバイバルキャンプをしてました。こんな無謀で素敵なことをしてしまうのは埼玉の自由の森学園です。

  2. あしたの城 より:

    「自由の森」という高校の名前が、その教育方針というか、指針が表れていていいですね。危ないから何でも禁止していたら、子供の危機管理能力が育たないような気がします。親の度量も試されているような気がしますが…。

    宿主は、自分の子供にチャリでどこかへ行って欲しいとか、一人旅をして欲しいとか、願っているけれど、我が家の子供たちはまったくそんな気がない様で、一人旅の高校生チャリダーが、うらやましかったようです…。

  3. BMW乗り教師 より:

    昨日東京に戻りました。
    5日の晩は楽しく過ごすことができました。

    日々中学生と接していますが、彼のように、考え方がしっかりしていて、しかも素直な生徒はなかなかいませんね(^^;)ご両親の教育方針が良いのだと思います。

    今頃どの辺を走っているのでしょうか。

    宿ができたいきさつも読ませていただきました。次回はホテルで有名人に会った話をご主人から伺いたいと思います。

    来年のツーリングを楽しみにしながら明日から仕事します!!

  4. あしたの城 より:

    BMW乗り教師として、子供にバイクを禁止するんじゃなくて、バイクの面白さを教えてやってくれ!!と、散々宿主に言われておりましたよね。将来あしたの城にバイクツーリングでやってくる若者が絶えないように、しっかり教育(?)頼みますね。
    ホテルで出会った有名人、ネットに書いた以外にもいろいろおりますので、ぜひとも宿主に聞いてやってください(*^_^*)

  5. チャリンコ親父 より:

    この夏には、高1の息子が大変お世話になりました。 
    ありがとうございました。
    なにげなく開いたHPブログに息子のことが載っていたのでびっくりして
    思わず椅子からずり落ちてしまいました。

    わたしが学生時代に自転車で日本全国を駆け回っていたころ・・・・
    25年ほど昔のこと・・・・あのころから「あしたの城」さんは伝説の宿でしたね。 いろんなところで噂を聞いていました。
    わたしは無銭旅行のテント一筋で、宿にはとても泊まれませんでしたが、ずーっと「あしたの城」さんのことは気になっていました。

    今回、息子が『2009年夏北海道一周・男塾!』と称して旅立ち、「あしたの城」さんでお世話になれたことは自分ごとのようにうれしいことでした。

    もう2ヶ月ほどたちましたが、夕べも『ミルク鍋は絶品だぞ=』と思い出したように、つぶやいておりました。
    またご主人や同泊の皆様との盛り上がった話が、驚くほどの楽しかったようです。
    こんな素敵な経験をさせていただき、心から感謝しております。

    わたしもいつかぜひ憧れの「あしたの城」さんへお伺いしたいと思い・・・できたら自転車で。 いまは自転車屋さん通いして、かっこいい自転車を探しているところです。

    来年夏は、滋賀から北海道へ!! 

  6. あしたの城 より:

    もう2ヶ月になりますが、息子さんを案内したときのこと、夕食のとき、宿主がとても嬉しそうに、いろいろ話をしていたのをよく覚えていますよ。

    宿主も自転車に乗って、日本縦断をしたので、息子さんが高校1年生で、1人で北海道自転車旅行するなんて、父親として、すごくうらやましそうでした。うちの息子は、いまのところ、まったくのインドアなんで…。

    今度は是非、お父さんが、自転車旅行でいらしてください。奥さんとのなれそめも、息子さんからしっかり聞いていますので!よかったら奥さんもご一緒にいらしてくださいね♪




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