のんた君行方不明事件

のんた君がいたポール何があったんや?!と、ほとんどの方が思っているに違いない、のんた君行方不明の話です。今日は長い文章になります。21日から私の小学生時代の恩師が奥さんと遊びに来てくれていて、24年ぶりの再会ということで、私は道北の観光案内をしておりました。このお話は後日ゆっくり書きますね。で、ことの始まりは、22日は夕方の5時ごろでした。恩師ご夫妻と一緒に遊びに行って、帰ってきたら、家にいるはずの宿主がいません。

家中、庭中探してもいませんし、学校から帰ってきている息子に聞いても、今帰ってきたばかりで、宿主がどこにいるとか知らないと言います。そしてふと気がつくと、のんた君もいません。リードもなかったので、ちょっと嫌な予感がしました。お客さんがいると言うのに、こんな暗くなる時間までのんた君と出歩くなんてことはないんです。のんた君と遊びに行くと言ってたけど、ひょっとして砂丘林に行って、帰って来れない状況になっているのではないか??

恩師ご夫妻にはまず、お風呂に入ってもらって、私は車で稚咲内まで行ってみました。途中道道444号線で動けなくなっているんだったら、車に乗せて帰ってきたらいいと思ったんですけど、のんた君も宿主もいません。本当に砂丘林の中で動けないとしたら、それは宿主かのんた君か?もう少し待って…、なんて思って取り返しのつかないことになったら…?お隣さんの家に行って相談しようか…、いやその前に、と思ってお隣さんの私道入口で宿に電話してみました。すると宿主が電話に出たではありませんか。

いつもの農道に散歩に行ったら、途中のんた君が歩けなくなって、だましだまし帰ってきたけど、いよいよ無理になったので一輪車で運ぼうと、道路わきのポールにつないで自分だけ帰ってきて、今家に着いたばかり、というのです。まずは砂丘林の中でクマに襲われたんじゃなくて良かった~!と安心して、すぐにそのままのんた君を迎えに行きました。ところが!

道道から農道に200メートル入ったポールにつないであると言っていたのに、のんた君の姿が見えません。もうあたりは暗くなっていたので、車のライトでゆっくりと探したのですけど、いないんです。800メートルも進んでしまって、見逃したのかと思って戻っていたら息子が走ってきて、宿主も迎えに来たのだけど、つないだポールのところにのんた君がいなくなっていると言うのです。いそいで戻ると、宿主がおろおろしています。

ポールは写真の通り、リードの持ち手部分が輪っかになっているので、ポールに輪っかをすっぽりとはめ込んで、下までおろしていたので、もし首輪抜けするなら、首輪とリードが残っているのに、全く何も残っていません。弱っている体で、自分でリードの輪っかごとポールから引き抜いて逃げることも考えられません。どう考えても人間が、リードを抜いて連れて行かないと、何の痕跡も残さず消えるなんて、ありえない状況でした。

のんた、のんたと叫んでも、あたりはしんとしたまま、何かが動く気配がありません。地区の人ならのんたと分かるけど、もしかして工事関係の人が、作業が終わって帰るときに見つけて、かわいそうにと思って連れて帰ったかもしれない、ということで、家に帰って警察に電話しました。こちらとしては、届け出が出てないかと思ったのです。しかし届け出はないとのこと。もう6時もかなりまわってきたので、恩師ご夫妻に晩御飯を作らなくてはなりません。

明日の朝になったら、農道奥の工事現場に行って関係者に尋ねてみよう。そう言いながら、このままのんた君が忽然と消えてしまって、それっきりになったらどうしようと思いました。宿主も責任を感じて、牛乳鍋の用意をしながらもう心はここにあらずと言う感じです。そうこうしているうちに息子が、以前散歩に行ったとき、排水溝に落ちて動けなくなってても、吠えずにじっとしていたので、今回も排水溝でじっとしているかもしれない、晩御飯ができるまで排水溝を探しに行きたい、と言い出しました。

状況から誰かが連れて行ったと思い込んでいる私たちは、また探しに行くつもりはなかったのですけど、恩師ご夫妻も心配してくれて、晩御飯は遅くなってもいいから、探してきて、と言ってくれましたし、息子一人で行かせるわけにもいかないので、お言葉に甘えて、3人で懐中電灯を持ち、出かけました。すると途中パトカーがやってきました。届け出が出てないか聞いただけのつもりだったんですが、わざわざ来てくれて、消えた場所の確認をし、やはり状況から誰かが連れて行ったんだろうと言うことになって、役場や獣医さんなどにも、届け出がないか手配してあげると言ってくれました。

パトカーが帰ったあと、3人で残ってのんた~と呼びながら、懐中電灯を照らしながら探していると…、宿主が「いた~、のんたがいた~!」と叫びました。なんと繋いだポールを間違えていて、100メートルも奥に離れたところのポールにつながれたままになっていました。のんたは道路わきにいなくて、排水溝側の笹薮の中に落ち込んでいました。のんたとしては、力を振り絞って帰ろうとしたんだろうけど、リードにつながれたまま足元がふらついて、排水溝側に落ち込んで動けなくなったみたいです。途中で笹に引っ掛かっている状態でしたから、宙ぶらりんになって首を絞められた状態ではなかったし、力尽きて動けなかったみたいですから、ますます首を閉めなくて良かったみたいでした。

道路からはのんたもリードも見えず、のんたは吠えもせず動かずにいましたけど、ポールがわずかに曲がっていて、それを見た途端宿主がどきっとして、ポールの下のほうに手をやると、草むらに隠れていたリードが触り、リードをたどっていくと、笹薮の中に落ちていたのんたを見つけたのでした。宿主が行くと、のんたは尻尾をわずかに動かせただけ、宿主はもう泣かんばかりで、息子と二人がかりでのんたを抱きかかえて、側溝から引き上げました。

警察にはすぐに見つかった、ご心配おかけしましたと連絡し、遅い夕食は祝賀会のようになりました。そして翌23日は、予定通りまた恩師ご夫妻を道北観光案内にお連れして、夕方、町のスーパーによると、息子の同級生のお母さんがいて、「ワンちゃんは見つかったの?」と聞いてきました。何で知ってるの??とびっくりして聞くと、役場に勤めてるから、警察から電話来たし、と言っていました。家に帰ると、宿主には知り合いから心配の電話があって、知り合いは獣医さんから聞いたと言っていました。獣医さんは、心配してポスターまで書いて張ってくれたとのこと。警察にすぐ連絡して、それでもう安心してたんだけど、いろんな人が心配してくれたままやったんかと、申し訳なく、役場にも電話したり、獣医さんにもお礼の電話をしました。

これが、のんた君行方不明事件の顛末です。私も宿主も、人間が連れ去ったと思い込んでいるので、息子が言い出さなかったら、そして恩師ご夫妻が探してきて!と言わなければ、もう一度探しに行かなかっただろうし、そうすれば、夜には風が強くなって雨も降っていたし、朝に見つけても、のんた君は冷たくなっていたかもしれません。のんた君にもしものことがあったら、宿主はきっと一生自分を責めるだろうと思います。

明日もこの幸せで平凡な日常がずっと続いていくと思い込んでいるけれど、本当はいたるところに禍の暗い穴はぽっかりと開いているのです。それに落ち込むか、すんでのところで這い上がるかは、ほんの小さな偶然が作用するんだなあと思います。本当に見つかってよかったです。のんた君は、精神状態不安定でしたが、二日たった今は、元気になって歩けるようになりました。

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2012年10月24日 | テーマ:黒ラブのんた君 | コメント(6) |

コメント

コメント

  1. 長尾章司 より:

    とにかくのんた君無事でよかった。
    先日NHKのテレビ放送で見たのですが、のんた君結構高齢に見えたので(お口の周り白髪がでてますから)散歩あまり遠くに行かせないでね。たとえのんた君が行きたがったとしても無理させないで下さい。
    それにしても宿主さん、のんた君がいない生活考えられないのではないのでしょうか?

  2. あしたの城 より:

    >長尾さん
    宿主は、私がのんた君に対して過保護すぎやと思っていたみたいですが、今回のことで、かなり反省したみたいです。もう無理はさせないと言っていました。(^.^)

  3. ちょび より:

    先に無事の記事を書いてくれていたので、ドキドキしながらも安心して読むことができました。
    皆さん大変な思いをなさったでしょう。
    本当によかった。
    息子さんの機転に私も大感謝です。
    暗い穴があっても、脱出するチャンスはあるってことですね(^o^)

  4. あしたの城 より:

    >ちょびさん
    振り返ればめでたしめでたしなんだけど、現在進行形の時は、このままいなくなったらどうしようと思いました。今でも息子は、のんたと宿主(!)の恩人として褒めたたえられています。脱出の縄梯子を放り投げてくれた感じですね♪

  5. そら より:

    毎日欠かさずブログを見に来ていましたが、
    2日ほどサボっている間に大変なことになっていたんですね!
    でも見つかって本当に良かった!
    うちのそらも2年前のクリスマスの次の日に行方不明に
    なりました。
    幸い親切な方に見つけられて、翌日戻って来ました。
    晩御飯を頂いて、その家の中学のお姉さんと寝たそうです、
    保護していただいた方から電話があった時は涙が出ました。
    いなくなった晩はその年一番の冷え込みで、寒がりのそらは
    外にいたらどんなに寒かっただろうと、考えたらぞっとします。
    でものんちゃんが見つかってからブログを見てよかったです。
    見つかる前だったら、気が気ではありませんでした(笑)
    ところで、以前から気になっていて山ちゃんとも話していたの
    ですが、のんちゃんは先天的に後ろ足に不具合があるのでは?
    普通、そう簡単には歩けなくならないし、ゴールデンなどは
    結構生まれつきそういうワンちゃんが多いそうです。
    素人ですから全く適当なお話ですが、そんな感じがしました。
    それとも北海道は広いから歩く距離もハンパじゃないのかな?

  6. あしたの城 より:

    >そらさん
    そらちゃんが無事に見つかって良かったですね。電話があった時に涙が出たのは、気持ち、わかりますよ。
    レトリバー系は先天的に股関節が弱い犬が多いようで、のんた君も強くないと思います。また砂丘林の中など、やわらかい土の上なら昔は3時間ぐらい歩いていたんですけど、舗装道路など固いところは、ちょっと歩くとすぐに嫌がります。最近は、農道も舗装されてしまったので、舗装道路を歩くことが多く、私は舗装道路は1時間までと決めています。
    でも宿主は、犬のくせに歩けないのか、みたいな言い方をよくしていたので、いつもの農道ですが、私が行かない突き当りまで行ってしまったようでした。
    これからますますのんた君も年を取ってしまいますし、無理のない程度に散歩させようと思います。




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